石川県能美郡には、百田尚樹が出光佐三をモデルとして書いた『海賊とよばれた男』に匹敵するような波瀾万丈で、とんでもない業績をあげている男が存在する。

シェアする

知り合って20年になる師匠であり友達が、私が就職して最初の赴任先であった石川県に住んでいる。この人はサーファーであり経営者だ。22年前にサーフィンを始めて、岸近くで溺れそうになりながらサーフィンをしている俺に、救いの手を差し伸べてくれた。

「みさおちゃん、もっと腰を使え」「みさおちゃん、もっと後ろ足で踏め」「なんや重りついとるんか、もっとこげ」「カットバックするなボトムに降りろ」

と何もできなかった俺に色々教えてくれた。3年前の忘年会で「こいつは、俺の弟子や」と他の人に紹介してくれたのが、とても嬉しかったことを今でも覚えている。弟子として認めてもらってないと思っていたからだ。で、このおっさんが、とにかくすごい。何から書いたらいいのかわからないほど、波瀾万丈で、すごくて、サーフィンも超上手い。

付き合いで、だいぶ大人になってから始めたゴルフでは、数年で30台で回った。運動神経がよく、感覚がするどくて、運動神経が最悪で体育の成績がずっと1とか2の俺とは真逆だ。俺は、サーフィンを理屈でやっているが、理屈で上手くなるはずがないというのが彼の考えで、おそらく、ウンチクで固めまくっている俺の考えもしくは、生き方を、あまり好きではないはずだ。

それでも20年来の友人であるので、彼は、俺をこの上なく愛してくれていて、よくしてくれる。彼の住む石川県に足を向けて眠ることなんてできないなとたまに思っている。

まあ、運動神経がよくてサーフィンもゴルフも上手いのだが、そんなことを書くために、この記事を書いたのではない。彼がすごいのは、その経営者としての手腕と素質と人柄だ。

業種を書くと特定されるのでここでは書かないが、彼はその業界で、石川県でも有数な企業に会社を育てた。しかも一代でだ。今では県内に工場は5箇所をほこる県内きっての会社となっている。その事業を彼が始めたのは、わずか15年前の2000年。たった、3人でまったく何もない状態から、ゼロから会社をはじめたのだ。

その波瀾万丈ぶりは、ガイアの夜明けや情熱大陸でとりあげたとしても、見劣りするどころか、有数のエンターテイメントとして君臨するだろう。それくらいすごい。年商は聞くの忘れたのでかけないが、15年強で工場を5店、従業員は40名以上とする企業に成長している。もういちどいうが、たった3人でゼロから始めてだ。

この話は、将来小説家となったときに、小説として上梓しようとしてたのだが、このブログを読んでくれているその社長が、わけのわからないウンチクばっかり書いてんと、たまには俺のこと書けま(書けまは、石川県の方言で、書かんかいという意味)というので、現在手にある情報だけで書くことにした。

彼とは年1回バリへのサーフトリップをご一緒させてもらうのだが、サーフィン以外のフリータイムで、彼の経営理念とか、どう生きるべきかを教えてもらう。その話は、さすがに、いちいち感心させられることばで、机上の空論ではなく、実際にやってきたことなので、生々しく強烈で、そこには経営のすべてが詰まっている。
写真1511181740
その中で、俺の中に強烈な印象として残っていて、彼がいつもいう言葉がある。それが、

「みさおちゃん絶対に裏切るな。裏切られてもいいから絶対に裏切るな」

言葉にすると、まあ、一般的に良識がある人がよく口にすることであったり、座右の銘として思っている人も多い、比較的よくあるなあという感じだが、彼がそれを口にすると、迫力が半端ない。もともと強面の彼だが、この言葉を口にする時は、そこに彼の全エネルギーがのってくる。それが彼の口から言霊となってでてくる。そこには、かれは絶対にいちども、人を裏切ったことがないという事実と、何があっても裏切るとは最低のことだぞ、肝に銘じろよという執念とも言える思いがのっかているのだ。

それは、何度も出てくるが、何度聞いても、そのたびに考えさせられる。経営者として、独立して4年になるが、何かあるたびに、彼の言葉が頭をめぐる。売り上げが苦しい時や、なかなか上手くいかないときは当然あるが、そんなとき、悪魔がささやいてくる。いいじゃん、売ってまえよ、売れたらそれでいいじゃんって声が。

そんなとき、悪魔より怖い、彼の声と顔が頭に浮かんでくる

「みさおちゃん、商売は絶対に裏切ったらだめや。だますようなことしたらだめや」

と。そのたびに思いとどまる。まっとうな商売をしていこうと。俺は22年間サラリーマンとしてのんべんだらりんと過ごしてきた(サラリーマンがみなのんべんだらりんだという意味ではないのであしからず)で経営者になったのだが、俺が何かを習うのはいつも本やセミナーだった。

ところが、その社長は、おそらくそんなことはしていない。聞いたことはないが、話をしたあとに、こんなこと本にかいてないやろみさおちゃんって言ってたので、彼がいうことは、すべて現場で体験したことだ。それなのに、一流の経営者が本で語っているようなことを当たり前のように言う。俺はいつもそれに驚かせる、まるで、松下幸之助とか稲盛和夫やと。

そういえば、俺の実弟も、経営者で、経営者としては俺より先輩だが、奴もいつも俺に嫌味たっぷりに

「兄貴、なんかええこと本に書いたあったか?セミナーで教えてもらったことは上手く行ったか」

と言っていた。奴も本を読むタイプではなく、手当たり次第に体裁など構うことなく、現場で経験して事業をなしてきた。彼らとはなすと、自分の陳腐さに辟易とする。俺って全然だめじゃんて、まじで超凹む。

とはいえ、俺には、このウンチクしかない。口八丁手八丁でモノを売ってきたセールスの技術と書いてウンチクたれて売ってきたマーケティングのスキルしかないのだ。もちろん、これで今後もいくしかないのだが、その中で、彼の言葉をつねに、頭のど真ん中においている。絶対に裏切らない、人をだまさない。

基本的に私が売っているのは形がない頭脳だ。自分の頭のなかのものを、眼に見えないものを売っている。みようによっては、とても胡散臭くなる。だからこそ、彼の言葉を信念としてもち、これからもやって行こうと思う。

小説に書こうと思っていたくらいだから、彼のことについては、まだまだ書きたいことがあるが、折を見て、不定期に登場してもらうことにする。

百田尚樹が書いた、出光興産の創業者である出光佐三をモデルとした『海賊とよばれた男』という小説があるが、石川県に住むこの男を題材としたら、引けの取らない作品になることは必死だ。

そんな彼、今後もこのブログに登場してもらうと思っているので、以降是非、お見知り置きいただきたい。奴はまじですごいのだ。

シェアする

フォローする

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>