平日130円でうどんを食べることができる回転寿司の女性スタッフの接客は、銀座のホステスのそれを凌駕するものだった。

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すしが回転しているすし屋に行った。いつかは成功して、回転していないすし屋に行くぞと思いはや10年。すしは回転しているモノだと刷り込みが完了し、回っていないすし屋はすし屋ではないというレベルまで洗脳が完成した。

平日の昼間は130円でうどんが食べられるので、今日も昼からすしをいただくというセレブランチを決行した。入り口のドアがあくと、レジ付近で何かをしているアラフィーの女性が迎えてくれた。

「いらっしゃいませ、おひとりさまですか」

そう尋ねてくださるスタッフさんにわたしは右手の人差し指を立ててジェスチャーで答える。1人ですと声を出すのが面倒なわけではなく、まだ、店員さんまで距離があったので効率のよいジェスチャーにしたまでだ。決して生意気な態度をとっているわけではないことをつけ加えておく。

ちなみに1人ですというときのジェスチャーは人差し指を使うのがいいだろう。小指だと誘っているみたいになるし、親指だとバッチグーみたいになるし、中指だと、随分攻撃的になるので、人差し指がいいだろう。

そのすし屋、入り口付近にはカウンターが10席ほど用意されている。残りの席はすべて6人がけのボックス席だ。1人の場合はカウンターに通されることが多いのだが、その日も案の定スタッフは、

「カウンターでよろしいですか」

と言ってきた。普段なら全然カウンターでもよいのだが、その日は、どうしても1件だけメールを打たなければいけなかった。パソコンを広げたいなあと思っていた。もちろんカウンターでもできるので、まあ、いいかと思って、はいと答えようとしたその瞬間、彼女の口から意外な言葉が吐き出された

「ボックスにしましょう。どうぞ、32番のお席へ」

何にも言っていない。はいという返事も、ほんの一瞬、ああ、できればボックスがいいなと思ったが、そんなことは微塵もださず、すぐに答えた。だから、驚いたのだ。そう、彼女は、その一瞬の間で、俺が、カウンターにつくことを好ましく思っていないと感じたのだ。

もしかしたら左脇に抱えていたノートパソコンをみたからかもしれない。なんなんだ、この察知力は、ぜひ、もし、俺がカフェを始めるときは、あなたにきて頂きたいと思った。こういう方が、ひとりいれば、まちがいなくその店は上手く回る。俺がエリアマネージャーなら、絶対に店長にしているだろう。
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(写真はイメージです)
さらに言うと、彼女の言葉は、こちらにまったく負担をかけていない。仮に、彼女ほどの察知力をもつスタッフがいたとしても、おそらくはかれる言葉は、ボックス席のほうがよろしいですか?になる。

彼女は、聞くことさえしなかった。確実に俺の心を読んだ。このおっさんは、ボックスに座りたいのだという心を読んだのだ。読んだなら聞く必要はない。だから彼女は、ボックスにしましょうと言ったのだ。

全国の小売店でスタッフの接客に課題があるなあとおもっておられる経営者のみなさん、是非、そういう人から学んでください。そのうち、その人を先生にして接客のセミナーや研修のプログラムを作ります。まあ、なかなかスカウトは難しいでしょうが、そういうことなんです。それさえできれば、むだな研修は必要なくなります。

いったい、彼女は何を思って、接客しているのでしょうか。それさえわかれば、丁寧な言葉遣いとかは、あくまでも付け足しになります。本質的にまごころをもって接する必要があるのです。

本当に素敵な日になりました。これでますます回転していないすし屋に行く必要がなくなります。そんなスタッフをお持ちの小売店のオーナー。すくなくとも、時給は1.5倍さしあげてください。その人が、いったいどれだけ、売り上げをあげていると思っているんですか。あなたの評価は低すぎませんか?ぜひ、時給のアップもしくはボーナスを考えてみてください。絶対に離してはだめですよ。

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