福井市に実在する文房具店に在籍する営業マンと販売員。その、おもてなし力の違いに驚愕した。

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「252円になります」

近所の文房具屋さんで、ノートを1冊買ったときに店員が放った言葉はこれだけだった。まあ252円しか使ってないからこんなもんやろうなと思いながら店を出た。

そう思いつつも、いや、せやけど俺はこの店で仕事関係に使う文房具やら事務用品を全部買っている。絶対にもうちょっと愛想よくしても損はないと思いなおした。

まあ、これだけ無口な従業員さんを揃えている小売店はいまどきそんなにないし、まあいいやと駐車場に向かって歩いていたら、その文房具屋さんの営業マンが、社用車の横に立ち、電話をしていた。電話の相手に向かって何度も頭をさげていた。その様子を、元営業マンの俺は、なつかしいなあ、いつの時代も営業マンは大変だなあと思って自分の車に近づいた。

向かえに止まっていた営業車にも必然近づくことになった。店から出てきたのを見ていたからなのか、その文房具屋の袋を持っていたからかはわからないが、その営業マンは私にきづき、頭をペコリとさげた。お買い上げありがとうございますという意味なのだろう。わたしも軽く会釈を返した。さらに、彼に近づくとやがて彼の声が耳に届き始めた。

「はい、申し訳ありません。来週の頭には入荷しますので、入荷次第、すぐおもちしますので、、、、、はい、水曜日にはまちがいなく入荷します。はい、すみません、よろしくおねがいします」

と営業マンがクライアントさんに応対するお手本のような言葉をクライアントさんに提供していた。おお、さすが、この営業マンはできるな、俺が歩いているのにも気づいたし、応対も完璧だ、そうとうできる営業マンにちがいない、またブログに書こうと思った瞬間に、フと思った。

ちょうまって、この営業マンも252円ですとしか言葉を発しなかった店員も同じ会社の社員やんな。あらあら、全然応対が違うなあ、おれが252円しか払わない客で、電話の向こうは月間に何十万も事務用品を買う客だからか?もちろん、その要素は少しはあるが、そうではない。

そうする必要があるかないかの問題なのだ。もちろん、個人の資質というのもあるが、売り場の店員は総じて、そんな感じで愛想もクソもない。別に、あなたに買ってもらわなくても、うちは潤ってますからという感じなのだ、店頭のほうは。

営業マンがとても同じ会社の社員とは思えないほど愛想がいい。

この状況をみただけで、それが本当にそうなのかはわからないが、私は仮説を立てて、営業と販売員の違いについて書いてみようと思う

営業マンと販売員の決定的違い

圧倒的に愛想のよい営業マンと、225円ですとしか言わない販売員がでてきたが、両者の違いはなんだろうか。違いは客にある。

店に訪問してノートを買った客である俺は、それが必要だから買うためにそこに行っているのだ。ところが、営業をかけるクライアントは基本そうではない。必要かどうかわからない商品を買わされているのだ。言葉が直接的すぎて、誤解を招くかもしれないが、基本的にそうなのだ。

営業は御用聞きではない。おなかいっぱいの商品。山のように積んだ在庫があるなかに、あれを買ってくれ、これを置いてくれと営業をかける。

私なんかは、店に行くたびに「またあんたか、先月くさるほど買ったやんか、もうなんも買うもんないで、帰って〜」ッて言われる「いやいやいやいや、まあまあまあ社長、なんかそのスーツ爽やかな色ですね、どこで買ったんですか」といいながら、揉み手をして、社長の後ろについていく。
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そう、まず、いらんという状態から、購買して貰う必要がある。販売員は違う。そうじゃない客もいるが、一応買うつもりで店に出向く。もちろん冷やかしの客もいるだろうが、おまえところの商品なんて買わへんでと店に来る人はいないだろう。

この店の営業マンと販売員が逆だったらどうだろう。252円ですと、値段しか言わず、挨拶もお礼もできない彼がクライアントに出向いて果たして商品が売れるだろうか。逆に、愛想のいい営業マンが、ありがとうございました、またお越しくださいねと言ったら、次も迷わずわたしはこの店に行く。

おもてなしの重要性は販売員も営業マンも同じ。そのおもてなしに大きな差はない。ひとつ違いがあるとしたら、客。

まったく買う気がない客と、一応買おうとしている客。その対応はちがって当然である。

22年間くるひもくるひも、なんも買うもんないから帰ってと言われ続けて、それでも売っていた。ようやってたなとあらためて思う。営業マンっておそろしい

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