最高の接客はそこに愛と感謝があるかどうかだ。セールスマンや小売店の従業員が慇懃すぎて無礼になってるケースはままある。

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「そんなんやってへんで、50円プラスや大盛りは」

大阪梅田にある食堂で、とんかつ定食ご飯大盛りを頼んだときのことだった。定食屋のおばちゃんは、きれたかのようにいきなりそう言った。もし俺の出身地が大阪ではなく関西弁に慣れ親しんでいなかったら、びびって逃げ出していたかもしれない。まるで怒っているようだと表現されることも多い大阪弁だが、このケースも別に怒っていたわけではなかった。

「えっ、でも、この前のとき大盛りは・・・・」

と言いかけたわたしをさえぎって、おばちゃんは、

「にいちゃん、それ平日やろ。平日は大盛りサービスやけど、今日はあかんねん、そこに書いたあるやろ」

とおばちゃんが指さしたメニューには確かに平日限定サービスと書いてある。ゆったりした動きでなるほどなとメニューをみていると、おばちゃんは

「にいちゃん、どうするんや、大盛りか?普通か?」

と、はよ決めんかいボケ、というニュアンスを内に秘めた様子でまくしたてた。

「じゃあ、大盛りで」

と言い終わるか言い終わらないかのタイミングで、おばちゃんは、とんかつ定食大盛りねと、大きな声で厨房に注文した。

店に入って、座った瞬間のできごとだった。お昼時間のかきいれどきだったのもあったのだが、さすが大阪、スピードがはやいなあと思っていた。まもなくおばちゃんがお茶とおしぼりをもってきて、無造作にわたしの前に置いた。そして、

「にいちゃん、悪いなあ、土日はやってへんねん」

と先ほどとは打って変わって、ゆっくりと優しい言葉でそう言った。いえと首を横に振りながら、わたしは答えた。

わたしは別にクレーマーではない。ブログには営業マンがとるべく態度や、小売店の接客態度について口うるさく書いているので、クレーマーのように思われるフシがないでもないが、職業柄気になっている、気にしているだけなのだ。だから、おばちゃんが、とても接客業とは思えない言葉で接客したとしても、なんじゃその口の聞きかたはとかにはならない。
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もちろん、おばちゃんの言葉遣いが、接客業でつかっていい言葉かといえば、そうではない。あまり褒められたものではないだろう。しつけやマナー講座にいけば、いちばん先になおされるべき案件だ。

ところがわたしは、今回の接客については、まったく腹がたったりということはなかった。それはなぜだろうか。

そこに愛があったからだ。言葉とはうらはらに、わたしに対する一連の行動には愛が満載だった。ほぼ満席の店内。カウンターが1席だけ空いていた。店に入った瞬間に、その場所を指さしアイコンタクトでわたしを誘導した。それと同時に、両横に座る人に、もうすこし、横にずれるように促してくれた。

そして、お水を出すときに、優しい言葉をかけてくれた。

そういうことなのである。この店には、店全体が、客をおいしくて安い料理でもてなそうという雰囲気がある。それが、おばちゃんからも店全体からもでているのだ。あの空気は、その店にいる全員がもっていないとでない。

慇懃無礼という言葉ある。クソ丁寧なのだが、それにこころがついてきておらず、表面だけに丁寧な感じがあふれていて、内面では裏腹なことを考えているときなど、まさに慇懃無礼。それなら、言葉遣いが無礼で内面は愛でいっぱいという感じがあるほうがよほどいい。

逆にチェーンの飲食店がマニュアルを徹底するのは、この内面を隠すためといえるかも知れない。内面を変え、お客様に最高のおもてなしのこころでといったて、そう簡単にできるわけはないというのがわかっているのだ。だから、表面だけでも、なんとか失礼のないようにとやっているといえるかも知れない。

だから、もし、あなたが、本当にクライアントさんのことを思い愛し、そのような思いで接すれば、表面があまり上手くなくても、思いは伝わるのだ。

とはいえ「あきません。その条件は先月で終わってますで、だからゆーたのに、7月はおとくやでって、あかんあかん。今月は正規価格でっせ」なんて絶対に言えませんけどね

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