小さな約束をホゴにするセールスと、商取引の契約という約束を結ぼうと思うクライアントは残念ながらひとりもいない

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ともだちに、おけいはん、という子がいる。

この子はいつも営業から売り込みされる立場。まあバイヤーみたいなのを大きい組織でやっている。先日の投稿(人はものすごく単純な理由で、その店での購入を辞める件)にも、営業マンから、なめんなよお前、それくらいはやってる、ばかにするなと怒られるのを覚悟で書いた、営業マンは、

あいさつをして
約束を守って
お礼を言おうね

というやつ。あれを読んで、コメントをくれた。ほんとうに、基本的なことだけど、これができてない営業がなんと多いことかと、おなげきの様子だった。彼女はそれを、やるやる詐欺とよんでいた、どうもうまく言ったもんだ、おもしろい。

そうなのだ、わたしの予感というか、感覚はやはり合っていた。日々、営業マンからの売り込みや企画の提案を受けている彼女の実感だ。おい、ちゃんとやれよ。言ったことくらいせえよ、ということなのだ。

あたりまえのことですよね。言ったらやる。できないのなら言わなければいい。

ところが営業マンはついつい安うけあいをしてしまう。

「了解で〜す。送っときま〜す」

とか

「ほんまですか、ありがとうございます。すぐ手配しておきます」

と言って、調子よい返事はするものの、放置プレー。これは、傾向として、軽い感じのやりとりのほど履行しづらい。まあ、頼むほうも、そんなに大事な案件ではないから、気軽に頼んでいる。営業マンは、その気軽さを、感じる必要もないのに、感じてしまい、勝手に優先順位をさげてしまう。
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きっちりとした商談とか、注文ではないので、そうなってしまう。実際に、軽い案件なので、それでクレームになるとか、約束不履行でも致命傷になるとかはない。だからなのだ。だから、どうしても軽視してしまう。そして、怒られないから、またやってしまう。

NO WAY!

だ。思わず英語で書いてしまったが、この言葉のほうが適している。とんでもない、ふざけるな、約束は約束だ、約束に小さいも大きいもないで、というニュアンスが含まれている。

新人セールスマンみさおは、ひどかった。この小さな約束を、おそらくだが9割は履行しなかった。前述のとおり、おおきなクレームにならないからだ。約束を忘れているのかというとそうでもない。定期訪問で、店の前についたときに、前回に頼まれてたことを思いだすのだ。

(しまった。社長に、今度くるときでええから新製品のパンフレットもってきてって頼まれたんやった。持ってくるの忘れた)

と店のまえで思い出した新人セールスマンみさおは、そのまま店の前を通りすぎ、別のクライアントさんのもとに向かった。

(まあ、ええわ。今日はアポもない、定期訪問やから、やめとこ。今度パンフ持ってきてから、行こ)

と、予定を変更して、ルートを変えてしまったのだ。こんなことは一度や二度ではきかない。数えられないほどの小さな不履行をくりかえしている。

では、次回の訪問時に、新人セールスマンみさおはパンフレットを持っていったのだろうか。答えはNOである。2週間前とまったく同じセリフを口にする、

(しまった。社長に、今度くるときでええから新製品のパンフレットもってきてって頼まれたんやった。持ってくるの忘れた)

前回と同じように、約束を思いだしたのは店の前についたとき。なにも進歩していない。で、彼はどうしたか。今度は店に入った。さすがに今日訪問しないと、1ヶ月以上あいだがあいてしまう。それはまずい、パンフレットを持ってはいないが、訪問するほうが大事だ。今度、もってくることにして許してもらおう。

そして新人セールスマンみさおは、店にはいる。いつもお世話になってますとあいさつしたあと彼は、申し訳ありません。パンフレット持ってくるの忘れたので、次回かならずもってきますと、当然言うかと思っていたが、言わなかったのだ。ええ〜、でしょ。でも、このパターンは結構ある。

頼まれてだいぶ経過しているので、いいだしづらいのだ。だから、もし今日言われないのなら、言わずにおいて、次回持ってきて渡そうとおもうのだ。できるだけ、事をあらだてることを避けたいのだ。

そして彼は言わなかった。さいわいクライアントもパンフレットのことを言わなかった。ひととおり、はなしたあと新人セールスマンみさおは店をでた。でたあと、息を吸ってからフーっとはいて、よかった、ばれなかったと、胸をなでおろした。

同時に、かなり緊張感を伴ったいやな思いをしたのを感じた。ばれたらどうしよう、気づかれたらどうしようと、訪問のあいだ中、ずっとドキドキした。もうこんな思いはしたくないと、もう二度とこんな思いはいやなので、ちゃんとやろうと。そのときは本気でおもうのだ。

さあはたして、新人セールスマンみさおは、このクライアントにパンフレットを無事に届けることができたのか。

もうおわかりだろう。残念ながら、このクライアントにパンフレットが届くことは永遠になかった。

そんなばかなとおもうだろう。これくらい覚えとけやとか、きっちり処理しろやとか。そんなセールスいるのかと、優秀なセールスはおもうだろう。ところが、けいこはんも言ってたとおり、こんなセールス、ゴロゴロしてるのだ。

約束を破る、やるやる詐欺のセールスたちは悪気がない。安うけあいするひとは、わりと愛想のいいセールスが多い。まあまあ好かれているセールスも多い。なので、そんなにクレームにならないケースがおおく、まあしかたないなあとなる。それが、また駄目なのだ。

で、彼らは何事もなかったように、商談にはいる。そのときにクライアントは思っている。そういえば、こいつあのときのパンフレットまだやったなあ。自分が約束まもらんと、自分の契約だけとろうとしてるのか、それはあまいな、みさおちゃん。

「河村くん、わかった。ありがとう、またかんがえとくわ」

と、怒られもせず、文句も言われないまま、簡単に断られてしまうのだ。みさおちゃんには、なぜとれないのか、理由はまったくわからないだろう。

実際にクライアントに、断った理由を聞いたことはないが、一方的に約束を履行せえと、約束を破りまくるガキに言われても、ふざけるなとなるのだろう。

こういった小さな約束を履行しないことが、自分の商談が決まらないひとつの要因になっているということなのだ。

小さな約束だから履行しなくてもいいじゃんではなく、小さい約束こそ履行しよう。その積み重ねは、やがて大きな財産となって、高い参入障壁となって、あなたのあとおしをしてくれるだろう。

さあ、いまからでも遅くはない。すこしづつ、小さな約束を、メモにとり確実にこなしていこう。半年後や1年後には、とんでもないことになっているだろうから。

わたしも、もいっかいみなおそう。

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